私は、パワハラ被害に遭い、告発→制裁した経験があります。
相手は職場で何度もパワハラを繰り返しているにもかかわらず、放置されていたモンスターでした。
告発の結果、そのパワハラお局は10年以上居座っていたポストを退き、降格処分。
さらに、別部署に異動になり、全く違う畑でキャリアをやり直すことになりました。
せっかくエネルギーを費やして行う「告発」できっちり結果を出すため、私は二点のことを行いました。
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①パワハラ被害の詳細を書面化→主要人物に提出
いつ、どこで、どのようなシチュエーションで、なんと言われたか、全て書き出しました。
業務上の記録は全てメモしてあったので、かなりの量の証拠を書き出すことができました。
自分のメモで足りないところは、職場のカレンダーと照らし合わせ、「確か○○の会議後だったな」と推察で日付を補完しました。
大切なことは、「継続性があったこと」の証拠です。業務の範疇を超えて、繰り返し行われていたことが「陰湿性」を物語ると考え、箇条書きで淡々と書き出しました。
●月×日(△) 配属2日目、A主任に「29歳なんて、若いとは言えないからね」と言われる。(※A主任は40代半ば)苦笑いしていると「私がその歳だったら、絶対こんな仕事を選ばないなぁ」と鼻で笑われる。 ●月○日(△) 賞与支給日、「前の仕事ではいくらボーナスもらっていたの?」「住宅ローンはボーナス払いにしてるんでしょう?それでいくら消えるの?」等、しつこく聞かれる。はぐらかしていると不機嫌になり、「新築の家なんて、数年したら修理が必要になってもっとお金がかかるからね」と嫌みを言われる。 ●月△日(□) 休憩中、A主任に「○○高校出身なんでしょう?」と声をかけられる。「はい」と答えると「じゃあ何?頭がいいくせに、天然ちゃんなのは、計算なわけ?」と言われる。苦笑いしていると「天然、と言うほど、かわいいもんじゃないけどね。私がBさん(同僚)とCさん(私)にどれだけ迷惑かけられているか・・」と説教が始まる。(休憩中にA課長の説教が始まることが多いため、休憩が憂鬱だった) □月×日(○) A主任に「なんで再婚したの?」と聞かれる。「別れた旦那とだって、この人とならやっていけると思って結婚したんでしょう?2回目は大丈夫だと思うって正気じゃなくない?」「数年後には名字変わってるなぁ〜」と笑いながら言われる。その場にいたDさんが「そんなわけないでしょう!何言ってるの〜」「本当に毒舌だよね〜」と笑って誤魔化し、その話は終わる。 ○月△日(×) A主任が突然「私って、天才じゃない?」と大きな声で言う。Bさんが「A主任がいなきゃここは回らないですよ〜」と褒めると、「この仕事、私は2時間で終わったけど、Cさん(私)だったら1週間かかるからね」と笑う。私が苦笑いしながら「さすがですね〜」と言うと無視し、Bさんとだけ会話を続ける。(Bさんがいる時は私が存在しないかのように無視することは日常的にあり、Bさんが間を取り持つことが多かった)
ちょっと書き出しただけで、未だに胸糞悪い・・・笑
このように書き出した文章を、同日に主要人物に渡しました。確実にアウトに持ち込むためです。
「もう今までのように誤魔化すことは通用しない」とわかってもらうべく、同じタイミングにしました。
「内部で正式なパワハラ案件として適切に処理をするか、この書類を労基署に持っていって判断してもらうか、どちらが良いですか?」
との言葉も突きつけました。
②「彼女は優秀、本当はいい人」とかばい続ける
文書提出の翌日、正式にヒアリングが行われることになりました。
ここで私は「文書に書いた通りのことがありました」とだけ話し、必要以上に何をされたかは自分からは話しませんでした。終始、冷静なトーンで、話し続けました。
ここで私が感情を爆発させたり、「被害者です!」と過剰に訴えると「まぁまぁ・・あちらにも言い分があるのでしょう」と聞き手は被害者と加害者の中立に立とうとして、加害者側の肩を持つとわかっていたからです。
(ハラスメントの二次被害のカラクリは別記事に書いたので、ご参照ください。これを意識して、あえて引いたわけです。)
「ここに書いたことは事実です。」と前置きした上で、
「このように告発する結果になったことは、全て私の責任です。申し訳ありませんでした。」とまず頭を下げました。(※そんなこと思っていません。ふざけんな、と思っていました。)
私に弾糾されると思っていたのでしょう。全員かなりひるみました。
・私さえ我慢すれば、職場がうまく回ると思い、ギリギリまで我慢してしまった
・気づいてくれている人はいたのに、私のつまらないプライドのせいで相談できなかった
そう続けました。あくまで目的は「私の気持ちをわかってもらう」ではありません。「事の重大さを認識させ、きっちり制裁を下してもらう事」です。だから、相手が受け取りづらい「攻撃」はグッと堪えて、思ってもない謝罪をしました。
すると、
「いや、今までも兆候があったのに、問題の重大さを認識していなかった我々の問題。こちらこそ、申し訳なかった」と人事部長から言葉がありました。
「クセのある人相手に、君はいつも笑顔で受け答えしていたから、ここまで辛い思いをしているなんて気がつかなかった。自分が気づくべきだったのに申し訳ない」と事業部長からも謝罪がありました。
「今までの人は『もう無理です』『辞めます』と訴えるばかりで、A主任の言動は指導の範疇だったのだろうとこちらも思ってしまっていた。ここまで悪質なことだったと、今回やっとわかった」
とまで、打ち明けました。
ここまでくれば、畳み掛けるしかありません。
・ここまでのことをされても、私は今もA主任を尊敬している。A主任は優秀な方。彼女の仕事ぶりから、もっと学びたかった。性格に難があることは初日から気がついていたが、それでも学びたいと思う魅力のある人だった。だから、ギリギリまで耐えていた。
(本音:教育係、教育を受ける者という立場の違いを利用して卑劣なことをしていたことに気づけ・・「彼女から学んで」と配属された先で、このようなことがあったわけだから、あなたたちに責任があるんだよ)
・A主任は、本当は優しい人。それにも関わらず、「部下」という存在にだけ卑劣な言動を繰り返している。私で3度目となると、病的なものを感じる。彼女に必要なのは、懲罰ではなく「救い」ではないだろうか。彼女を助けてあげてほしい。被害を受けてきた側に医療を勧められているが、本当に医療の介入が必要なのは、彼女の方ではないか?
(本音:この人は自己愛性パーソナリティー障害だよ。家では間違いなく毒母だよ。自覚もないから救いようがない。もう教育者の立場に置いちゃダメ。「パワハラしちゃダメ」って指導しても、どうせ「使えない奴だった」と相手のせいにして言い訳を繰り返すだけでしょう。救いようがないから。いい加減、もう育てようのない人材だって気付けよ・・)
・「次世代育成も業務のうち」という認識が欠落しており、むしろ自信を失わせるような言動を繰り返している。それは結局、彼女の業務を増やし続けることになり、自分で自分の首を締めていることに気が付いていない。先の見通しが立てられず、目先の自分の地位を守ることにしがみついている。仕事が生活の糧というより、自尊心の埋め合わせに必要なことになっているのではないだろうか?本当の意味でありのままの自分を受け止めるチャンスを、もう一度彼女に与えてあげることはできないだろうか?
(本音:育成の仕事を任せられない人間だといい加減気づけよ。「自分が欠けても場が回るようにする」「経験や勘で得たものを再現性のある方法論にして手渡す」のが、本当に「仕事ができる」って事でしょう。キャパオーバーだと認めることもできずに仕事を抱えて、誰にも情報を渡さないで、自分の指示なしで動けない仕組みを作っていることは組織にとってもリスク。「忙しい自分」「頼られる自分」に酔ってる奴は、仕事ができる奴ではないから。なんで今まで放置してたの?モンスター化させたのはあなたたちだよ?)
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こうして、一気に「A主任を異動&降格処分する以外に選択肢はない」という空気に持ち込むことに成功しました。
本音と建前がここまで違うのに、よく舌がまわったなぁと自分で振り返っても思います(笑)
実際に、私は数日かけて声に出して練習して臨みました。車通勤の最中や、子どもが寝た後の寝室でこっそりと。
本音は、夫にたっぷり聞いてもらいました。「あなたがわかってくれていれば、それでいい」と。それがなければ、グッと堪えていることはできなかったかもしれません。
モラハラ離婚した経験から得た知識も、間違いなく活きました。全く嬉しいことではありませんが(苦笑)
パワハラがまかり通っている時点で、最善策は「転職」であるパターンの方が多いと思います。
ただ、行動してみてから辞める、という選択肢もアリだと思います。
同じような境遇の人がいたら、参考にしていただけたら幸いです。
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